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音を楽しむと書いてオンガクする

Déodat de Séverac “Baigneuses au soleil”

セヴラックの「日向で水浴びする女たち」。副題に「Souvenir de Banyuls-sur-Mer」とある。二十歳かそこらの頃に聴き、いっぱつで気に入った曲。

Panasonic DMC-GX7MK2 (14mm, f/4, 1/60 sec, ISO4000)
もうボロボロ

この譜面は90年頃、銀座のヤマハで購入したもの。この曲のCDを探しに来たが見つからず、せめてこれで「聴こう」と思い(注1)ピアノも弾けないのにピアノ譜を、それもたった12頁で弐千円もするのに日本語は正札だけ(注2)なのを買ったのである。

が、喜び勇んで帰宅したはいいが読めたのは左手だけ(注3)。更にはそれまで見たのことない記号やら仏語注釈やらの洪水に、たちまち「ムンクの叫び」となってしまった。それでも翌日から気を取り直し、じっくり読むうちだんだんと頭の中でこいつがそれらしく鳴り出した。当時YM2151を搭載したPC(注4)を所有していたので「よーしこれで鳴らしてみよう!」 … と早速取り掛かってはみたが、この無茶無理無謀な試みは一日で白旗、以後それっきり(涙)。

という訳で、あの時のリベンジがこれ。雰囲気は出たかなという感じ。いまやCDも何種類か出ているし、国内版の楽譜も店頭にあるしで少しはセヴラックもメジャーになってきたのかも。

注1: YoutubeはおろかWindows95もない頃である
注2: EDITIONS SALABERT
注3: アマチェロ弾きの多くはヘ音とテノール記号しか読めない
注4: FMで8音、わかる人にはわかる

錯乱するジジイ達の論理

先週の木曜、時間がとれたので前回に引き続き日フィルの公開リハーサルを見に杉並公会堂へ。今回も開場を待つ人の列、年齢層ヒジョーに高い(俺もか!)。曲目は「幻想」と聞いていたが、そこには「最初に八村義夫、そのあと幻想なのであしからず」な貼り紙が。

なるほどステージ中央には「で~ん」とスタインウェイ。打楽器が異常に多い。時間になり平服のピアニスト渡邉康雄さんとマエストロ井上道義が入って来て、いきなり始まったのがその八つ墓村 … もとい八村義夫氏の「錯乱の論理」。

「ポカーン」という感じな数分間、こういう体験も久々である。知らない曲だったがそれは(メシアン+ヴァレーズ)÷(ウェーベルン+ベルク) = 「70年代のサイケな映画のBGM」という感じで、結構楽しかった。

マエストロ曰く「錯乱してるんだから、そこにそもそも論理なんかない」。つまりこの曲自体が矛盾なのだと。実際こういうのは半端に取っ掛かりを示さず、これぐらいハチャメチャな方が面白い。印象に残ったのはマエストロの後頭部のテカリと、渡邉康雄さんの力任せなペダル。

Panasonic DMC-GX7MK2 (14mm, f/4, 1/125 sec, ISO200)

杉並公会堂で良かった。これがサントリーとかだったら、数分で悪酔いしてたと思う。この週末、本番でこれを聴いた方々がどう思ったか知りたいところでもある。

繰り返しになるが、今回のこの催しの平均年齢たるやかなり高かった。それを少し下げてくれたのは、他ならぬステージ上の若手団員達だったりする。はぁ。

J.Offenbach “Orphée aux Enfers” overture

おなじみオッフェンバックの喜歌劇「天国と地獄」こと「地獄のオルフェ」序曲。但しこの曲はこういう事情で、オッフェンバック自身の手によるものではない。が、それは如何にも伝統的なオペラ序曲の流儀に従った構成で、良くできていると思う。今回使ったのは、そのまた4手連弾版。

思えば若い頃、FMで聴いたこれが気に入って近所のレコード屋へ行ったらモノがなく、その足で秋葉原まで出向いてマリナーのを買ってきた覚えが。今でもそうした状況はあまり変わっていないようで、CDで探すとなったらカラヤンの(古い!)ぐらいしか見当たらない。ミンコフスキのがおすすめと思ったらもう売ってないし。

やっぱり楽しいオッフェンバック、お時間のある方はこちらもどうぞ

C.DEBUSSY “Prelude” from “Suite bergamasque”

ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」も、一昨年の今頃の「パスピエ」から昨年の「メヌエット」ときて、今年は遂に1曲目の「プレリュード」。

実はこの曲に着手したのはこれらよりもずっと前なんだが、何をどうやってもサマにならなくて長いこと放置。それを「今度こそは!」と、これまでのをそっくりリセットして臨んだ。しかし、やはり細かいテンポの揺らしと強弱のアヤがなかなか掴めなくて、今回はずいぶんCDとYouTubeの世話になった …

が、それらはどれもコネクリ廻し過ぎな感じで、俺的にはどうにも重くてしつこい。やはり印象に残るのはLPの時代に聴いたミシェル・ベロフのあれ。アッサリ系で録音もショボかったが、音聴いてるだけでどんなアクションなのかが目に見えるようだったアレ。久しく聴いてないが、確かこんな感じだったんじゃないかなあ。

さて、これで残るは「Clair de lune」だけとなった。正直言ってこれ、あまりやりたくない。けどここまで来た以上、〆ておきたい気もするし。やるとして、これも来年かな。

家系とブルッフ

一昨日好天下で外出した折、たまたま目についた「横浜家系」な看板(注: いえけい)と香りにつられてこれを昼食とする事にした。家系=豚骨+海苔+太麺である。俺好みなんだが、時にここで「極端に固くて粉っぽい」のが太麺として出る事がある。正に昨日のそれがこれで、非常に危険(後述)でもある。仕方なく、良く噛んで食べた。だが良く噛んでも、それはまったく旨くなかった。最悪のパターンである。

案の定、それから数時間して体の下の方から雷鳴が轟いてきた。「ストッパ」を持ってないので、これはもう「毒を吐いて楽になる」しかない状況である。そこから「雷鳴と電光@ヨハンシュトラウスⅡ」な騒ぎを経て、どうにか往来を自力歩行できるところまでは戻った。そして帰宅後はソク惰眠 …

一夜明け昨日。天気は最悪。だがその氷雨の中、外出先は大学以来の旧友属する、都下某町の某アマオケ定期@当日券500円。行くと言った以上行くしかなかったんだが、前日来のシュトラウスⅡ世がまだ体内で疼いていて、なんとも落ち着かない気分の中それは始まった。

Panasonic DMC-GX7MK2 (300mm, f/5.6, 1/400 sec, ISO6400)
あの位置から手持ちでこれが撮れるってスゴくないかい!?

1曲めの「エグモント」までは良かった。が、2曲めブルッフの演奏開始と共にグルルと遠雷が。アマオケがプロをソリストに招いてのコンチェルトとあって、これを聴かなきゃ来た意味がないぐらいな局面なのに、ヘタすりゃ周囲を巻き込んでの×××××(自粛)。必死でカラダを捻って安全な着地点を見つけようと苦悶するうち、どうにかそれは小康状態へ。「あ、これなら、いける!」なところに踏みとどまり、脂汗でどうにかFinまでセーフ。

が、僥倖に胡座をかいてはいられない。拍手の中、ただひとり一目散にあの「個室」へ突進。貸切状態の個室でアンコールを聴きながら××××××(更に自粛)。ここでようやく体が軽くなった。そして休憩後は、安心してメインのドボ8を堪能。旧知の連中とのご対面も含め、それは実にスリリングで楽しいひと時でしたー。

教訓:家系にはくれぐれもご注意を