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音を楽しむと書いてオンガクする

暗いと不平を言うよりも、すすんで灯りをつけましょう

この言葉を、子供の頃にラジオで毎日耳にした。それが朝だったか夜だったか定かでないが、その度にとても清々しい気分になったのをよく覚えている。確かカトリック系の番組で、ベートーヴェンの「田園」から始まる5分かそこらの帯番組だったと思う。俺はクリスチャンではないが、以来この言葉はずっと胸の中にのこった。そんな事をふと思い出し、YouTubeで探してみたら見つかった。

番組名は「ルーテルアワー 心のともしび」。ところがその冒頭、神父の口から語られたのは「心に愛がなければ、どんなに美しい言葉も相手の胸に響かない」。「アレっ、これ!?」と思いながら最後まで聞いてみたが、ついに「暗いと不平 …」は聞けなかった。この番組も言葉もよく覚えているが、どうやらこれではない。するとあれは???

そこで更に調べてみたところ、それは「太陽のほほえみ」という上記「心のともしび」の姉妹番組だった。同じく5分の帯番組で、放送時間帯もほぼ同じ。このふたつが俺の記憶の中でゴッチャになっていたのだ。そしてこれもYouTubeにあったので聞いてみたが、軽快なテーマ曲が鳴り出すとあの頃の記憶が鮮明に蘇った。そして何十年ぶりかであの言葉を聞くことができ、胸のつかえもとれてホッとした。

さてその「太陽のほほえみ」はとうの昔に放送を終了していたが、なんと「心のともしび」はニッポン放送で今でも放送されているという(!)。早速聞いてみようかと思ったが、やはりこういうのはRadikoとかじゃダメだ。今度、非常袋の中から手回しラジオを取り出して、放送開始前にギリギリ巻いておくことにしよう。

# アー、でもベランダに出なきゃAM受信できないんだよなー …

これぞグランド・キャニオン!

ここでも書いたが、カンゼルとシンシナティ・ポップスの「大峡谷」は演奏も録音もイイ。CDで買ったのはずいぶん前だが、ひょんな事から先日これを出先で聴く事になった。すると同席していたある人がそのジャケットを手に「この CAUTION! DIGITAL THUNDERSTORMって?」と聞いてきた。そんな注意書きがあったとは俺自身知らなかったので、同じ組み合わせの「1812年」にあった「音溝の振幅が激しいから再生装置に気をつけろ」みたいなもんだろうと応えた。

ところがよくよくジャケットの裏を見ると、いちばん最後のトラックに「Cloudburst (with thunderstorm effects)」なる表記が。は?  何だこりゃ???  と思って聞いていたら、なんと終曲だけがもう1トラックあって、そこではサンダーシートでなく本物の雷鳴が使われているではないか!  知らなかったー!!  しかもこっちの方がずっと派手で面白いし!!!

Canon EOS 6D (90mm, f/11, 1/180 sec, ISO2000)

終曲「Cloudburst」はppで始まるがその時間が結構長い。なのでこれまでいつも俺は、その前で終わったものと思って再生を停止していたのである。ここがウリのCDなのに、アホとしか言いようがない。ジャケットよく読め > 己。

という訳でこれはオススメ … と言いたいところだがどうやらこれ、いまや中古でしか手に入らない模様。どこかで目にしたら躊躇なくお買い求めを。

# そのエリック・カンゼルも既に死んでるし

ネジ巻く手間さえ楽しかったアレ

昨日、何ヶ月ぶりかに家の中の掃除をしていて強くハタキを振ったら、居間の棚で何かがコロンと倒れた。それが何かはすぐにわかったが、手にしてみるとこれが永年の埃とヤニとでベトベト。「悪いことしたなあ」と思いつつ台所へ持っていって磨いてやったら、すぐに昔日の色艶を取り戻した。それがこれ。

Canon EOS 6D (24mm, f/8, 1/60 sec, ISO6400)

小さなオレンジ色の箱。商品名とメーカー名が如何にもな感じで印刷されているので、わかる人にはわかるだろう。わからない人にはヒント、右にネジがある。

Canon EOS 6D (24mm, f/8, 1/45 sec, ISO6400)

反対側、テプラが2枚貼付されている。どうやら上は楽器の、下は持ち主の名前のようだ。これは一体何なのか?  では蓋を開けてみよう。

Canon EOS 6D (24mm, f/8, 1/60 sec, ISO6400)
じゃーん!

という訳で、正解はWittnerのメトロノーム!  悲しいかな今や外から拭いたぐらいじゃ駄目そうで、ネジを巻いてもすぐ止まってしまう。だが元気な頃のこいつは、そこらの時計よりも正確に拍を刻んでくれたもんだ。これを購入したのは70年代末、場所は横浜のヤマハ。¥5,000ぐらい払って帰宅、その後これ聴きながら寝た記憶が。

なんでこんな物を持っていたのか?   それは、当時こいつが個人練習の際の指揮者だったから。最初はゆっくり、そして徐々に速く。嗚呼、なんて真摯でひたむきだったのでしょう、あの頃の持ち主!

時は流れ、今やメトロノームもデジタルな時代だ。楽器屋にはこれより安くてコンパクトで、更にはこれより多機能で使い易いのがたくさん並んでいる。が、驚くなかれその隣で今もこれが売られているのをご存知だろうか?  俺も一瞬目を疑ったが正にあのままで、しかも色とかサイズとかのバリエイションが増えている。俺もピンクの可愛いのを目にして、うっかり買いそうになった。これって、未だに需要があるって事か?  と驚いた。

もしかすると、そういうの知らなかったの俺だけかも。これ、修理したらまた正確な4分音符を刻んでくれるんだろか?

Eine Alpensinfonie x 2

ひたすら派手でウルサイ曲を、大音量で聴きたくなる事がたまにある。メジャーどころでは惑星とかハルサイとかか。アラとロリーとか、復活とかもいい。つい先日もこの発作に見舞われ、選択したのが「大峡谷」。TELARCのやつ(=録音優秀)で、むろん「Cloudburst」のみ。スカッとした。

その時「あーやっぱここ、アレと似てるなあ」と思い出したのがリヒャルト=シュトラウスの「アルプス交響曲」。場面は暴風雨と雷、変な打楽器の大量動員という点からも似てきて当然という気はするが、これは当家のCDライブラリにない。Amazonで探してみたところ、同じTELARCからプレヴィンとウィーン・フィルのが出ていたので、安かったしでソク購入。それが到着したので「さーてでは早速そのドンパチから」と思ったところで「え?」となった。トラック、ひとつしかない  …   慌ててジャケット見てもトラックひとつ。なんなんだそりゃあ!

「おまえそれはないだろう」と天を仰いだが、観念してその「山に登って嵐に襲われて帰る」をたっぷり50分間堪能させて貰った。演奏自体は悪くないだけに、この手抜き(以外に理由が考えられない)が腹立たしい。そんならそうと書いとけよ > Amazon!  そこで意を決し、今度は店頭でこれまた安いシノーポリとドレスデンのやつを買って来た。むろんトラックが22に分割されているのを確認した上で、である。

iPad Air 2 (3.3mm, f/2.4, 1/30 sec, ISO64)
左プレヴィン右シノーポリ

こんな次第で、僅か数日間で手元に「Eine Alpensinfonie」が2枚になっちまった。まあでも、この変な曲が以前より好きになっただけでも良かったかなと。いつか生で聴いてみたい。プレヴィンのはその練習にいいかも(笑)。

Moritz Moszkowski “Spanish Dance” Op.12 No.2

「スペイン舞曲」という名の作品は数々あるが、これはポーランドの作曲家モシュコフスキーの3曲からなる「スペイン舞曲集」の2番め。実はこの人の奥様は、かのセシル・シャミナードの妹(!)。それと関係あるのかどうかはわからないが、作風もなんとなく似ている。この曲もサロン風で覚えやすく親しみやすい。

そこは横須賀

昨日は知人のブラスの定期演奏会。毎年この時期に横浜界隈で行われるんだが、今回の舞台はなんとスカゲーこと「よこすか芸術劇場」!  実はこのワタクシ、横浜とは縁深いがその先の横須賀は殆ど知らない。それも今の住まいからだと、片道2時間近い長旅。ならばついでにと、少し早めに出て戦艦三笠を見てから行く事にした。地図で見ると「横須賀中央駅→三笠公園→芸術劇場(=汐入駅)」と歩いてもたいした距離じゃなさそうだったし。

だがその時、俺はこの時期ならではの重要な注意点をうっかり失念していた。そう、花粉である。家を出てすぐグズっと来て、たまらず途中でクスリとマスクを買ったが遅かった。そこから横須賀までの道中たるやクシャミと目のかゆみで散々、既にマスクが使い物にならなくなっていた。

それでもなんとか歩き出したが、思ったよりも三笠は遠かった。フラフラになりながらどうにか到着したものの、予定時間を大幅にオーバーしていてゆっくり見る時間がない。そこでやむなく外から眺めるだけにしてホールに向かったが、これまた思ったより遠い。頭の上を悠々と飛ぶトンビが憎らしくなってきた。徐々に息切れしてきて、殆ど惰性で歩き続けた。なんだか妙に外人が多くて、英語の看板ばかりなのは幻覚か? と思った。

iPad Air 2 (3.3mm, f/2.4, 1/684 sec, ISO25)
東郷平八郎司令長官に敬礼しただけで終わり

それでもホールに辿り着く頃にはクスリが効いてきて、ようやく頭がスッキリしてきた。一階席の真ん中付近に席を取り、周囲を見渡してみて「嗚呼、なんていいホールなんでしょ!」と感嘆。たぶん俺の好きな「鳴り」だろうと思ったが、その期待は開演と共に報われた。これこれ、こうでなくちゃ!  と嬉しくなった。澄んだ高音と、ビシっと締まった低音。レベルの高い演奏共々、苦労して来た甲斐あったなとしみじみ。

そしてシメの「星条旗よ永遠なれ」で「そうか、ここは横須賀なのだ!」と我に返った。ジンガイさんだらけなのも当然、ここは海軍の街なのだ。見渡す限り英語の看板だった、あれこそが現実なのだと、ようやくここで理解した。

「異国情緒」と言っちゃいけないんだろうが、久々にエキゾチックな雰囲気を堪能できた、それはとても楽しい一日でしたとさ。

追記:  このiPadで撮った写真、背景の空に雲がうまく広がってくれたお陰でそれらしくはなったが、肝心の三笠がどうにも安っぽい。こういう時はやはり一眼の出番かな。

Robert Schumann “Zigeunerleben”

新年明けましておめでとうございます。どうか本年もこの変なサイトを宜しくお願い申し上げます。

ということで、2017年いっぱつめはシューマンの「流浪の民」。

これがキッカケで着手したが、やはりオリジナルのピアノ伴奏だけではつまらないので、ピアノ独奏版を参考にあれこれ。これも歌詞載せときましょう。

橅の森の葉隠れに
宴寿(ほが)い賑わしや
松明明(あか)く照らしつつ
木の葉敷きて倨居(うつい)する

これぞ流浪の人の群れ
眼(まなこ)光り髪清ら
ニイルの水に浸されて
煌(きら)ら煌ら輝けり

燃ゆる火を囲みつつ
燃ゆる赤き炎 焚火
強く猛き男(おのこ)安らう
巡り男休らう
女立(おみな)ちて忙しく
酒を酌みて注し巡る

歌い騒ぐ其の中に
南の邦恋うるあり
厄難(なやみ)祓う祈言(ねぎごと)を
語り告ぐる嫗(おうな)あり

愛(めぐ)し乙女舞い出(いで)つ
松明明く照りわたる
管弦の響き賑わしく
連れ立ちて舞い遊ぶ

すでに歌い疲れてや
眠りを誘う夜の風
慣れし故郷を放たれて
夢に楽土求めたり
慣れし故郷を放たれて
夢に楽土求めたり

東の空白みては
夜の姿かき失せぬ
ねぐら離れて鳥鳴けば
何処(いずこ)行くか流浪の民
何処行くか流浪の民
何処行くか流浪の民
流浪の民