雨は降る降る人馬は濡れる

熊本への出張の帰途、時間が余ったので田原坂へ行ってみた。

が、なんと資料館が改修中で入れない。仕方ないのでその先の小高い丘に歩を進め周囲を見渡すと、反対側の稜線にまで連なる木々の緑が眩いばかり。天気も良く、風の音しか聞こえない。そこは周囲を低い山々に囲まれた、田畑ばかりの長閑な農村だった。

だがそこで後ろを振り返ると、1万余の名を刻んだ大きな石碑が目に入ってきた。少し離れたところからでも「薩軍」と「官軍」の大きな文字が読み取れる。

越すに越されぬ田原坂 …

そこから坂の下までは、恐らく数百mもない。春まだ浅い3月、篠突く雨の中を連日何万発もの銃弾が飛び交ったというその時の様子は、その風景からは想像もつかなかった。

そこでもう少し詳しいところを知りたいと、帰宅後に鑑賞したのがDVD2枚組の「田原坂」。だが、タイトルこそそのものズバリなものの、その内容たるや実は「西郷隆盛物語」で、肝心な田原坂の激闘は数分でサラッと流されてしまった。まあそれでも、西南戦争に至る幕末から維新までのスッタモンダの復習にはなったので、これはこれで良しとしときましょ。