真夜中の弥次さん喜多さん

最近の極私的幕末横浜ブームの中で、東海道とチョンマゲ姿から連想されたのが映画「真夜中の弥次さん喜多さん」。「タイガー&ドラゴン」と同時期に公開され、宮藤官九郎の名前を更にメジャーにしたアレである。だがこれを観た当時の俺は、その原作たるしりあがり寿のコミックも、またその原作(?)たる十返舎一九の「東海道中膝栗毛」も読んでいなかった。つまり、殆ど予備知識ゼロでスクリーンに向かったのである。

その時の感想はと言えば「ヒジョーに面白いが、ちとクドカン臭強すぎね?」だった。どこまでがしりあがり寿でどこからがクドカンなのか、それを知るためにもコミックの方を読んでみようかな、とも思ったが、なんだかんだでそれっきりになっていた。それを今回、遂に入手・読破したのだー!

それはマガジンハウスの「合本」の古本だが、今回は事前に「東海道中膝栗毛」がどんなもんなのか調べてから読む事にした。

と、ここでいきなりビックリ!  主役の両名がモーホってこれ、しりあがり寿の設定かと思ったら原作もそうだった。すると今でいうBLモノが江戸時代のベストセラー+ロングラン!?  ホンマかいなと思ったが、どうやら当時のこの国では男色も罪には問われなかったようだ。そして話の内容も、ほぼ全編に亘ってR15かそれ以上という凄まじさ(らしい)。いやはや、それならベストセラーも宜なるかなと。

そしてここからいよいよコミック「真夜中の弥次さん喜多さん」に突入!  …とそこから、息つく間もなく半日で読了!  うううー、これは凄い、スゴすぎる! 特に喜多さんがベルリオーズみたいになっちまうところからが圧巻。それもまた、さんざ持ち上げたところで「すぱっ!」と完。恐れ入りやしたー。

けどここで「てやんでぇべらんめぇ! お伊勢参りはどーなったんだよー!」 と思ったら、ちゃんと続きが。「弥次喜多 in Deep」だそうで。読むしかないな、これも。

追記:  そのDeepな方を読んだ。文字通り「更に深いところへ引っ張り込まれたなあ」という感じで読み始めたんだが、途中から格闘シーンが増え、でかいコマに擬音だらけで頁めくりが忙しいほど。傑作には違いないが、このテーマでこの人ならもっとコンパクトかつユーモラスに描けたんじゃないかと思った。という訳で、やはりオススメは上記合本ですかね。