A.Roussel “Le Festin de l’araignée”

Albert Roussel (1869 – 1937)

 

アルベール・ルーセル
バレエ「蜘蛛の饗宴」全曲

laraigneeクモが主役でカマキリや蝶が脇役、人間がひとりも登場しないというユニークなバレエ「蜘蛛の饗宴」が初演されたのは、今から約100年前のパリ。如何に当時バレエが流行りだったとはいえ、芸術劇場(Théâtre des Arts)から直々の依頼を受けてというのは、既にアルベール・ルーセルという名の作曲家がタダモノでなかった証。実際それは大成功をおさめ、以来その名は多くの人の知るところとなったという。

その後ここから作曲者自身によって演奏会用組曲が作られ、今では専らそちらのみが、ごくたまに演奏される。しかしそれを聴いただけでは、この「蜘蛛の饗宴」なるおかしなタイトルの意味はわからないだろう(そもそも組曲には、主役の筈のクモがどこにも出てこない)。

dancer実はこのバレエには、明確なストーリーがない。あえてそれらしいところを探すなら「獲物が網にかかって大喜びのクモがパーティの準備中に刺殺される」というトホホなところ、つまりこれは「蜘蛛のヌカ喜び」。そんな「よくある話」の周りに、生きとし生けるものの誕生から死までを、虫たちの姿を借りて並べたのが、この作品なのだ。生きるという事の難しさ、儚さ、そして楽しさというところを描いたバレエ「蜘蛛の饗宴」。アルベール・ルーセルの手によるこの30分余りの全曲から、その舞台の様子を感じて欲しい。

# てか私も舞台見てませんが(笑)

1. 前奏曲

ある日の午後、どこかの庭の片隅。一匹のクモが網の手入れをしつつ辺りを眺めている。のどかな風景。爽やかな風と強い陽射し。

2. 蟻の入場

働き者のアリ達が、汗だくになって荷物を担ぎ巣に向かう。クモはそれを、上から無表情に見ている。

3. 蝶の踊り

そこへ美しい蝶が舞い込んできて、華麗な踊りを見せる。だが案の定、クモの巣にかかって動けなくなってしまう。

4. クモの踊り

クモは粛々と獲物を捕え、喜び踊る。一方で2匹のカマキリがしょーもない事で決闘を始め、あげくクモの網にひっかかる。

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# と、ここまでが前半

5. カゲロウの羽化

そんな騒ぎとは関係なく、カゲロウが蛹から成虫になろうとしている。みなが我を忘れ、その美しい様子を見守っている。

6. カゲロウの死

喜びもつかの間、カゲロウは短い一生を終える。

7. クモの死

有頂天でパーティの準備をしていたクモの背後に、網から逃れたカマキリが迫る。そしてざっくり! クモあえなく没。

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8 カゲロウの葬儀

カゲロウを弔う葬列の、重い足取り。夜の帳が訪れ、また同じように明日がやってくる。Fin。