Tさん

フリーのアナウンサーだったこの人と俺とは、特に知り合いという訳ではない。ある楽団の年に2回の演奏会の際にMCとして舞台に立つ側と、客席でそれを眺める側という関係でしかなかった。だがこの人の軽妙洒脱なトークはこの楽団の顔であるのと同時に、常にその意味と意義とを身内の立場からしっかりと聴衆に伝えていた。それはプログラムには書かれない定番の「演目」でもあった。だがそのTさんはつい先日の演奏会を、体調不良で「欠席」した。結果それは、どこかやはりぎこちなかった。

そこに昨日届いた逝去の報。「今度はダメかも」と聞いてはいたが、その思わぬ喪失感に我ながら驚いているところ。それはもしかすると、これでまた「昭和」がひとつ遠くなったという寂寥感なのかも。合掌。

家族が増えた!

昨日、ひとり暮らしな我が家に思いがけない住人が嫁いできた。

Panasonic DMC-GX7MK2 (18mm, f/5.6, 1/15 sec, ISO6400)

以前YAMAHAのそれを持っていたが、実家に置いてきた。そのうちもーちょっといいのを手に入れて練習してみたいな、と長いこと思っていたところへ、旧オーナーに背負われてやって来たのがこれ。

Panasonic DMC-GX7MK2 (60mm, f/5.6, 1/15 sec, ISO6400)
iPadで自撮りしてみる

早速爪弾いてみて、その倍音の美しさに仰天。調子にのってカバティーナにチャレンジしたが、こういうシチュエイションって約30年近くぶりとあって撃沈。更には指先に強烈な凹が誕生、一夜明けた今でも痛くてどーにもならない。コイツとの付き合いは長くなりそうで嬉しい♪

アイツを探しに

Canon EOS 6D (24mm, f/3.5, 1/250 sec, ISO5000)

固く閉ざされたままの門扉。ここは開館以来48年の歴史を誇り、かつて「ブラスの甲子園」と呼ばれた普門館の正面入口である。3.11以降、耐震基準を満たせないとされ閉鎖状態にあったまま改修の願いも叶わず、遂には取り壊しが決定していた。今回その着工に先立ってステージが開放されると知り、その最終日に行ってきた。

Canon EOS 6D (200mm, f/4, 1/350 sec, ISO100)

予想を上回る人出で、30分毎に区切っての入場。周囲は楽器を抱えた人人人で、年齢層高め。その殆どが若き頃そのステージで覇を競った向きであろうことは一目瞭然だが、俺にブラスの経験はない。その目的は、かつて観客のひとりとしてここへオザワ=ボストンの来日公演に訪れた時の、自分探し。田舎の市民会館しか知らなかった当時の俺にとって、それは器も演奏も正に別世界。その後に控える新たな生活に対する不安で一杯だった自分が、あの晩だけはすべてを忘れてここにいた。

Canon EOS 6D (24mm, f/3.5, 1/90 sec, ISO6400)

残念ながら客席には立入禁止だったので、マエストロ・オザワの位置からあの晩の自分にエールを送ってみた。それは嬉しくもあり、そしてとても悲しくもありな瞬間だった。

Canon EOS 6D (24mm, f/4, 1/4000 sec, ISO100)

もしかして多くのブラスOBな面々も、俺と同じ気持ちだったのかもと思いつつ普門館をあとに。やはり、行って良かった。

こういう時代なんでしょうか

先日ここで「ハイドンの主題による変奏曲」を聴いた時、ふと頭に浮かんだのがエルガーのエニグマ。変奏曲という形式もさることながら、思ったのは「ひょっとしてエルガーはこの曲が好きで参考にしたんでは?」。調性のト短調は♭ふたつで「ハイドン」と同じだし。

そんな事を思いつつ、帰宅後久々に居間のCD棚からアンドリュー・デイヴィスのを引っ張り出して聴いてみた。他にもプレヴィンとかガーディナーとか持ってるんだが、やはりLPで初「エニグマ」だったこれが俺的スタンダードという感じだし。ただ「やっぱ録音古くてショボいなー」と感じ、新たなCDを探しにAmazonへ。そこで新旧あれこれ試聴した結果、いちばん面白そうだったのがジュゼッペ・シノーポリのそれ。安いし、これかな? と思い購入した …

あれ? なんかいつもと様子が違う … 「今すぐ再生する」 ???

ががーん! それは「Amazon Music」の「購入済み」リストに入ってしまった。むろんPCで聴けたが、欲しかったのは背中が黄色い、あのドイツ・グラモフォン原盤なCDなのよね。そうと知らずにクリクリした自分が悪いんだが、なんか演奏内容云々の前に気分が冷めてしまった。

馴染みのレコード屋でLP買って、帰宅途中のバスの中で開封。ドキドキしながら針を落とし、帯も大事に保存していた、あの頃が懐かしい。

# なおシノーポリのそれ、無茶苦茶ハジケてて楽しすぎます